
今フィギュアやってるじゃない。あれってすごく不思議じゃないですか。前から思ってたんだけどすごく不思議。ミキティの顔の話じゃないからね。
なんとかアクセルとか4回転とか、スピンとかさ、めちゃめちゃ回るじゃん。あれが不思議でしょうがないわけですよ。ステップとかはわかりますよ。要はテクニックな訳じゃないですか。詳しくは知らないですけど、エッジの使い方とか音楽に合わせたタイミングとかなんだかんだとあるんだと思います。金の米のCM出てた人もなんだかんだ言ってました。藤井隆もなんだかんだ言ってました。
ステップはわかるんですけど、スピンがね、どういう理屈で回ってるのか全然わからないんです。
スピンてすごく不思議じゃないですか。村主選手の高速スピンとかが有名かと思いますけど、あれって、なんか、上に伸びてたり、腕をぎゅーっとしてるだけじゃないですか。足とか腕とか広げていたのをぎゅーっとしてるだけじゃないですか。僕の言いたいことは伝わっているのでしょうか。
そのね、ぎゅーっで何で速くなるのかと。これが不思議でならないわけです。確かに、チンチンをぎゅーっとすると相応に速くはなったりするんですけど、相応に早濡になったりはするけれど、回りはしません。ビタイチ回らない。それなのに、村主のやつときたらクルクルといとも簡単に高速スピンですよ。ぎゅーだけで。
そこで頭のいい僕は考えました。これはあれだなと。僕が無知なだけなんだなと考えました。
世の中には自分以外の人はみんな知っているのに、自分だけが知らないことなんて山のようにあるのです。なんでも見透かしたような視線で、今夜はギロッポンでメンズのポンチーをギロッポンー!とか言ってる彼女もね、知らないことがたくさんあるわけです。僕がチンチンぎゅーっとすると早濡になるとか知らないわけです。うん、意味わかんないね、ごめん。
まあ、何がいいたいかって、理屈とか以前の問題としてぎゅーっとすると高速スピンするってことが周知の事実だってことです。原理はわからないけど、そうなるんです。僕が知らなかっただけで。
ちょっとだけ賢くなった僕は、やってみました。
きっと高速スピンするのだろうと期待を込めながら、全力で広げた両手と右足を目一杯ぎゅーっとしてみました。朝青龍かってくらい力一杯ぎゅーっとした。これで高速スピン間違いなし。すぐそこの未来には村主も禿げあがるほどの高速スピンが待ってるわけ。
まあ、なんていうか、びっくりするくらい回んねーのな。ぴくりともしない。会社の廊下でバスタオル剥ぎ取られたオニャノコみたいになってたわ。
これはマズいですよ。非常にマズい。何がマズいかって、上司にばっちり見られたことがマズい。やだ、高見盛みたいな顔になってる。
いやあね、わかってましたよ。さすがに僕もわかってました。回んないことくらいわかってましたよ。ただね、夢を追いたかったんですよ。自分の知らないこと、未知の世界、そこへ夢を追いかけたかっただけなんですよ。結果的に仕事を追われるような事態に陥りましたけど。
それくらいフィギュアスケートは不思議なものだと思っているんです。先日行われていたフィギュアスケートの大会で男子の選手が着ていた衣装にこんな言葉が書いてありました。
『勇
名
トラ』
全く意味がわからない、不思議で不思議で仕方がない。