3/25 復活しました。僕は元気でもないです。

2006年09月29日

センチメンタルフレンズ



小学生の頃、中間くんという同級生がいた。





僕自身それほど仲の良い方ではなかったけれど、同級生ということもありそれなりに会話もするという程度の友達だった。中学生までは同じ学校だったのだが高校は全く別の高校へ行ってしまったためそれ以来、中間君の名前も耳にすることはなくなっていた。

小学校当時の中間君はというと度のきついメガネをかけているせいもあってかパッと見の容姿はどう好意的に判断しても三枚目。さらに言えば七枚目といった感じ。勉強の方もこれまたお世辞にもいいとは言えなかった。全生徒数中何位を表す1(位)/150(人)にした場合、限りなく1に近づく。下手したら割り切れるってほどの頭の悪さ。

じゃあ、何も取り柄がないのかというとそうでもない。中間くんは足が速かった。
小学生においてモテる要素の一つと挙げてもいいくらい重要なファクターである足の速さ。「頭がいい+足が速い」ともなる人物は小学生時代において天下を取ったも同然、女子の黄色い声援を浴び輝かしい日々を過ごすことが確約される。それほど重要項目である足の速さを中間くんは持っていた。

こう書いてしまうと中間くんがぶっちぎりで、それはもう誰も寄せ付けず学年1位で足が速かったかのように思われてしまうかもしれないが実はそうでもない。「そこそこ」速い、という程度。実際僕のほうが数段足は速かった。ではなぜ僕がこんなことを書いたのかというと、メンゴ、他にいいところ思いつかなかった。

ただ、中間くんはピュアな心を持っていた。嘘をついたり誰かを騙すようなことは決してなかったし、当時すでに有名だったSMAPなどの話題を聞いても、

「ふぇ?すまっぷってなぁにぃ〜?」

と、小学生にして「軽くキマってるんじゃないの?」っていうくらい常識の斜め上を行く高い声を出していた。上手く言葉では言い表せないけど、間違いなく乳首はピンク。ワンチャンス、パイパン。それくらいピュア。

そんな中間くんと音信が途絶え数年。
僕は心配だった。

気がつけば僕らも社会人となり、それぞれが大人となっていた。乳首がピンクなくらいじゃ渡り歩けないこの世知辛い世の中で中間くんはちゃんと生きていけているんだろうか。僕は心配だった。心配で心配でおちおち12時間睡眠も取れないくらい心配だった。

月日が経てば人も変わるというもの。中間くんもこの世の荒波にもまれて鼻から白い粉吸ったりしてないだろうか?乳首はピンクのままだろうか?

そんな想いを抱き過ごしていたある日、中間くんの名前を聞くことになる。

その日も中間君のことが心配すぎて10時間くらいしか寝れずに向かった同窓会。同窓会といっても小学生のときに仲の良かった10人くらいで集まっただけの小さなものだった。そこで会う人たちは本当に久しぶりの人が多く、僕の思い出とはすっかり変わってしまった旧友たちの姿がそこにはあった。二十歳を超えてヤンキーみたいになっていた人、限界な感じのモーヲタ・・・・・・俺、小学時代の友達選び間違えてない?という想いがふつふつと感じられていたとき、親友とも呼べる沖本くんの口から中間くんの話題が出た。

「そういえばさ、中間って覚えてる?」

こう切り出されたこの話題、みんな頷き中間くんを覚えてる様子。

「あいつさ、就職したらしいよ」

おお!ちゃんと就職してたか!中間くん!
安心しました。ちゃんと就職していた様子。要領もよくないし、時代にも乗り切れなかった彼もちゃんと就職してる。大人になったんだな、と一安心。
これで明日から12時間寝れる。

「どうやら缶詰工場で働いてるらしい」

そうかそうか。缶詰工場か。そうだな。中間くんはエリート商社マンって感じでもないしな。いいじゃないか、缶詰工場。自分に合った職場でがんばってるんだろうな。

「でな、どんな仕事してるのか聞いたんだけどさ、なんでも・・・缶詰を縦にする仕事らしい」


・・・・・・・へ?

「いやな、ベルトコンベアで寝かされてきた缶詰を縦にするらしいんだ」

ベルトコンベアで流されてきた缶詰を縦に立てる。どうやらこれが中間くんの今の仕事。就職先の仕事。

缶詰を立てる・・・それが仕事・・・

・・・う、うん。そうか。
がんばれよ。中間。
お前が縦にしてくれなきゃ俺もサバ缶食えなくなるもんな・・・。

風に冷たさを感じる秋の夜。
中間くん・・・君も同じ風を感じているのでしょうか。乳首はまだピンクでしょうか。
お互いがんばろうなぁ・・・・・・


posted by natto at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 忘却の思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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